【中日新聞】「厳冬」「夜」の緊急事態訓練 地震・津波 志賀原発で手順確認

北陸電力で実施された、厳冬期の夜間に志賀原発での事故を想定した訓練についてのニュースです。


中日新聞:「厳冬」「夜」の緊急事態訓練 地震・津波 志賀原発で手順確認:石川(CHUNICHI Web)

 北陸電力は二十二日、志賀原発(志賀町赤住)で地震や津波による電源や燃料冷却機能の喪失を想定した緊急事態対応訓練を実施した。東京電力福島第一原発の事故を受けて昨年四月に実施して以来、二度目の総合訓練。厳冬期の夜間という過酷な状況でも速く正確な作業をできるようにするのが狙い。
 午前三時五十分に能登半島沖で地震が発生し、志賀町で震度6強を観測、四十分後に高さ十三メートルの津波が到達したとの想定。運転中の1、2号機が自動停止し、外部電源を喪失、すべての非常用ディーゼル発電機が停止した場合に備えた。
 小泉勝町長ら町関係者と七尾市、羽咋市、中能登町、県の担当職員、経済産業省原子力安全・保安院の職員らが見守る中、北電と協力会社の社員計約百五十人が参加した。
 大坪川ダムからの取水や重機でのがれき撤去、海水ポンプのモーター復旧など十一項目を訓練し、原子炉の冷却機能を取り戻すまでの手順を確認した。

 大坪川ダムにはクレーンでポンプを設置し、発電所内の防火水槽まで二・四キロにわたって長さ二十メートルの耐圧ホースをつないでいった。原発事故後に配備した非常用電源車で給電した。がれき撤去では発電所内で伐採した松の木を実際に広げ、重機で移動させた。
 北電は訓練結果を分析し、安全強化策の実効性を確認、改善すべき点を洗い出す。総合訓練は今後、年一回以上実施する。